〜ヨーロッパCDデビュー〜

Sergei Rachmaninov
 稲田潤子 Junko INADA (ピアノ
2012年録音



コレルリの主題による変奏曲 作品42 Variations on a Theme of Corelli Op.42
ヴォカリース ホ短調 作品34−14番 (A.リチャードソンによるピアノ編) Vocalise in e minor Op.34-No.14 (arr. A. Richardson for piano)
13の前奏曲 作品32 13 Preludes, Op. 32

Recording date :12-14 March 2012  Krefeld  Germany
Recording Company by :ACOUSENCE Classics
http://www.acousence.de/
ACOCD11312
Piano: KAWAI Concert grand Piano - EX
Piano Technician : Atsushi KOMIYAMA(Kawai Music Association)


お問い合わせ先
カワイ音楽振興会 TEL:03-3320-1671 kawai-kmf.com



 稲田潤子ファーストアルバム 2004年11月28日リリース

TABLEAUX JUNKO INADA piano

サンプルのご試聴 クライスラー/ラフマニノフ:愛の喜び

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○ジャケット帯の文章より
しっかりとした構図と豊麗で多彩な色彩感と奥行きがあり、しかも筆勢あるスケールの大きな造形と繊細で味わい深い細やかなタッチが見事に織り込まれている。 石田一志(音楽評論家、日本・ロシア音楽家協会運営委員長)
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○収録曲
ラフマニノフ:練習曲集《音の絵》作品33
クライスラー=ラフマニノフ:愛の喜び
クライスラー=ラフマニノフ:愛の悲しみ
ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》
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録音制作:ゼール音楽事務所(HP)
制作:カワイ音楽振興会(HP)
ZMM0412
定価2500円(税込)
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お求めは
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稲田潤子CD評

レッスンの友 2005年2月号 ----------------------------

 今月号のインタヴュー登場の稲田のデビューアルバム。そのブックレットの中で、「ラフマニノフ、ムソルグス キー、どちらも『絵』というタイトルから繰り広げられる作品から、みなさんはどのような世界を想像することができるでしょうか。言葉では、また絵では表し きれない心のメッセージを音楽で伝えることができたら、なんと素晴らしいことでしょう!」と言っている。

 ラフマニノフとムソルグスキーの音楽の違いについて「ラフマニノフは音が多いし、ムソルグスキーは単音でポンポ ンと弾く感じで、最初は音があまりにも少ないから、何か自分の裸を見られているようで恥ずかしい気がした」と、表現の上での苦心談?を語っているが、「音 の絵」そして「展覧会の絵」と、絵画を素材にしている点が共通しているだけの対照的な世界を、稲田の持てる「色彩感」を十二分に駆使して、見事に表現して いると言えよう。                                 

 また、この2曲に挟まれるかたちで、クライスラー=ラフマニノフ編の「愛の喜び」「愛の悲しみ」が収録されており、これもなかなかの好演で、一種のインテルメッツォ的な役割を感じさせ、稲田の表現の幅がこれによってもよく感得できる。         

 録音したのが昨年の10月後半で、見事な紅葉を愛でることができ、「東京からあたかもタイムスリップしたような感じがして、この環境の変化によって、かえって気持ちを集中して演奏に臨むことができて良かったと思う」と語っていたことをつけ加えておく。  

 

ぶらあぼ 2005年2月号 ----------------------------

 パリ音楽院とエコール・ノルマルで学び、ラフマニノフ・コンクールで3位入賞の彼女。スケールの大きな楽曲が得 意のようで、初録音に「展覧会の絵」をもってきた。絢爛たる響きを駆使した堂々たる演奏。組み合わせた「音の絵」は繊細で華麗なピアニズムをたっぷりと披 露。クライスラーの編曲ものでもヴィルトゥオーゾぶりを聴かせてくれる。今後の活躍にも期待。                                  

 

音楽現代 2005年2月号 ----------------------------

 東京音楽大学を卒業後パリで研鑽を積んだ稲田潤子のデビュー盤。まず、最近の日本人演奏家の録音に多い深いエ コーが利いたCDではないのに好感が持てたことを述べておく。ラフマニノフとムソルグスキーのロシアもの(うち2曲はクライスラー原曲ラフマニノフ編曲作 品)で構成された全曲を通じ、常に全ての音符を明晰なタッチで鳴らし曖昧な音を残さないようにしているにもかかわらず決して耳にうるさくないのは、リズム の揺らぎを抑制し安定していること、主・副声部をはじめ装飾音の価値の序列が明確でそれらを弾き分けるテクニックを備えていることにあるように思う。リズ ムの揺らぎを控えていると述べたが、クライスラー原曲の2作品のセンスあるテンポ・ルバートはやや主知的な「音の絵」と異なるピアニズムであり、実演では 「日本人離れした豪快さ」と評されたそうなので、彼女の実像はとんでもなくスゴイのかも、と思わせる録音で次作に期待が持てる。  

 

レコード芸術 2005年2月号 ----------------------------

 稲田潤子は、パリ・エコール・ノルマル音楽院に学び、1997年、モスクワのラフマニノフ国際音楽コンクールに 高位入賞という経歴を持つピアニスト。これがデビュー・レコーディングであるが、たいへん力量のある、センスの面でもすぐれたピアニストだということは、 とくに望んでの録音だというラフマニノフ≪音の絵≫作品33の第1曲からしてはっきりと感得される。一般にラフマニノフの表現に必須だと考えられる多感な メロディーの歌いくちや重厚なハーモニーの表出のみならず、ダイナミックなリズム感の表現にも長けていることが、このピアニストの長所に違いない。した がって8つの≪音の絵≫はどれも聴き応えに富むが、曲集を締めくくる第8番嬰ハ短調の迫力などはとりわけて印象に残る。そのあと、ラフマニノフ編になるク ライスラーの≪愛の悲しみ≫≪愛の喜び≫の一対が挿まれたのち、ムソルグスキー≪展覧会の絵≫がディスク後半を埋める。これも けっして悪い演奏ではない が、名演あまたある作品なので、その中において傑出した魅力を感じさせるには、いま一歩の感を抱かせる。きっちりと弾かれ、前記のようなこの人の長所も随 所に出ているのではあるが、聴いていて「これだ」と膝を打たせるような瞬間は訪れて来ない。妙な細工を施した演奏に比べたら遥かによい素直な演奏だとは、 確かに 言えるのだが。ともあれ、今後とも得意のレパートリーで実力を大いに発揮してほしい ピアニストである。                                 

[録音評]                                      

正攻法でスクウェアにピアノ演奏に対した感じの録音。オーソドックスであり、妙な作為を感じさせない安定感があ る。心持ち近接的な収録という感じはあるが、ホール空間が あまり広くないかデッドなのか。近接的収録でのキンキン、カンカンしたピアノ・サウンドになり がちなところがなく、ナチュラルかつクリアな収録である。2004年10月、都留市文化センター・うぐいすホールでの林正夫の収録。  


こちらのサイトからも、情報がご覧頂けます。http://kawai-kmf.com/cd-media/ZMM0412/            


ジャケットより

 

(C)井村重人 *資料は、カワイ音楽振興会(HP)より掲載許可頂いています