軽井沢八月祭(音楽祭 8/20〜8/24)
http://www.smf.or.jp/karuizawa/2007_8/index.html

8月24日 12:00〜12:45
会場/
軽井沢大賀ホール(軽井沢)(軽井沢八月祭 実行委員会)

鍵盤で聴く音楽史〜 <モーツァルトの真髄:室井摩耶子>
http://www.smf.or.jp/karuizawa/2007_8/detail.html#04
■モーツァルト:アダージョ ロ短調、ソナタ第16番変ロ長調

(C)KARUIZAWA ARTS FESTIVAL 2007 photo by Atsushi Mera

(C)KARUIZAWA ARTS FESTIVAL 2007 photo by Atsushi Mera

(C)KARUIZAWA ARTS FESTIVAL 2007 photo by Yoshitomo Tanaka

 連日,記録を塗り替えるような猛暑が続いた2007年の夏も、ようやく終焉の兆しを見せ始めた8月下旬、「軽井沢八月祭」は開幕しました。ソニーの名誉会長であった大賀典雄氏が、“音響的理想の形”を追求して造り上げたこの大賀ホールは五角形という世界にも類を見ないユニークな形を持ち、平行壁面が無いために残響が非常に美しいとされています。

 また、そこに据えられているピアノは、巨匠ミケランジェリが2度目の来日(1973年)の折に持ち込み、そのまま日本に残された伝説のスタインウェイです。

 そんないきさつもあり、この音楽祭のクライマックスは最終日の24日に催された1日10回公演で、『鍵盤で聴く音楽史』と題された壮大なものでした。

 室井摩耶子はその第3公演に登場し、ソナタ第16番とアダージョ・ロ短調を演奏しました。これは勿論、2006年のモーツァルトの生誕250年に彼女が愛しみ続けた曲であり、弾くたびに新たな発見があると語り続けていた曲でもあり、その魅力は尽きません。

 この24日の演奏会は、チェンバロによるバッハ、クープランに始まり、スカルラッティ、ハイドンを経てモーツァルトにいたり、ベートーヴェン、ショパンへと滔々と流れていく鍵盤音楽の歴史を音という具体的な形にして見せようという好企画でした。その音楽の歴史の奔流の中で、天才モーツァルトの確かな存在感を示すに十分な深遠な演奏で、聴衆を魅了しました。


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